低炭素社会実現のため、機械システムにおいて高効率、軽量化、環境負荷低減等が要求されています。機械設計学研究室では、最先端の表面改質や解析の応用により、高トルクを伝達する機械要素の機能、性能、寿命、伝達効率を向上させる技術開発を行っています。また、宇宙などのような真空、高温の極限環境における機械要素の利用に関して実験と解析の両面から研究開発を実施しています。
Fujii Masahiro
藤井 正浩教授
専門分野機械要素設計学・トライボロジー
E-mailfujiim@okayama-u.ac.jp
カーボン系高機能被膜や高硬度溶射被膜などを機械要素の表面に数μmから数100μmの厚さで設けることで,機械の効率や強さが向上します.本研究では,高機能表面改質を機械要素表面に適用するための技術開発をトライボロジーの観点から進めています.
機械要素の表面のマクロ・ミクロ形状,表面硬度や残留応力を適切に制御することで表面強度を向上させることができます.本研究では,表面の潤滑性能ならびに強度の両方を向上させる表面の創製を行っています.
図1:高機能被膜の断面観察
図2:レーザー改質表面のトポグラフィ解析
Tadashi Shiota
塩田 忠准教授
専門分野表面科学,薄膜工学
E-mailt-shiota@okayama-u.ac.jp
硬質セラミックコーティングにより,様々な摺動部のトライボロジー特性が向上することが知られ実用化されています.一方,半導体製造装置や医療用デバイスなどの高度な機械システムでは,ゼロ摩耗や超潤滑の実現が求められています.その実現を目指し,セラミック複合膜のコーティング技術とそのトライボロジー特性を研究しています.
摩擦や摩耗,変形や破壊,のような機械的作用が物質に加えられると,光子・電子・イオンなどの粒子放出現象が見られることがあり,トライボエミッションやフラクトエミッションと呼ばれています.本研究では,未だ明らかではないトライボエミッションとフラクトエミッションの発生機構解明と摩擦・摩耗過程のその場観察技術への応用を目指した研究を進めています.
図1:RFスパッタリングによるセラミックコーティング
図2:フラクトエミッション測定装置と放出特性