流体力学研究室

私たちの周りは,水や空気といった流体であふれています.この流体は自動車や航空機といった機械の周りや内部で複雑な流れとなります.この複雑な流れを詳細に把握することは,機械の高性能化や新規開発には必要不可欠です.私たちは,航空機や宇宙機,またさまざまな産業機械に関する流れを室内実験や数値シミュレーションにより再現し,これらを詳細に調べることで機械の高性能化,新規開発を目指しています.

ホームページhttp://www.cc.okayama-u.ac.jp/fdl/

Toshinori Kouchi
河内 俊憲教授

専門分野推進工学,圧縮性流体

E-mailkouchi@okayama-u.ac.jp

超音速混合・燃焼に関する研究

スペースシャトルが2011年に退役しました.次世代の宇宙輸送システムとしてスペースプレーンの研究が行われています.私たちの研究室では,このスペースプレーン用のエンジン燃焼器に関して,実験や数値計算を用いて基礎研究を行っています.

遷音速バフェットに関する研究

現在の航空機は音速近くの飛行速度で巡航します.そのため翼上面には,図2に示すような衝撃波が生じます.この衝撃波は特定の条件において,大きく振動します.衝撃波の振動は航空機の操縦性に大きな影響を与え問題となります.私たちの研究室では,特殊な方法を用いて衝撃波の動きを可視化し,振動が生じる原因を調べています.


図1:エンジン内の燃料噴流の可視化写真


図2:翼上面に形成される衝撃波の可視化写真

Hiroki Suzuki
鈴木 博貴准教授

専門分野乱流工学,非圧縮性流

E-mailh.suzuki@okayama-u.ac.jp

非平衡減衰乱流の解明と応用に関する研究

工業機器等の流れの多くは乱れた状態にあります(乱流状態).乱流が減衰する特性はこれまで研究され,得られた知見は広く一般社会に貢献しています.近年非平衡乱流減衰が国内外で注目されており,解明と工学的応用を行っています.

乱流解析手法の信頼性向上に関する研究

流れの乱れを研究するための実験計測や数値解析はしばしば誤差を伴います.実験計測では較正やノイズ等に,数値解析では保存則や近似精度等に関するものが一例です.誤差の特性解明や抑制による各種解析の信頼性向上を行っています.


図1:数値解析による非平衡減衰乱流場の可視化(主流は左から右)


図2:レーザー誘起蛍光法計測での誤差の影響(高シュミット数乱流拡散場)

Kento Tanaka
田中 健人助教

専門分野流体力学(数値流体力学,圧縮性流体力学)

E-mailK_Tanaka0901@okayama-u.ac.jp

衝撃波と乱流の干渉に関する直接数値計算

音速を超える速度で物体が飛行すると,その物体の前方の流体が圧縮されます.その圧縮によって衝撃波が発生し,圧力などの物理量が不連続的に変化します.本研究では,物理量に変動が存在する乱流中を衝撃波が伝播するような流れ場を数値的に設計し,両者の特性変化について調査しています.将来的には超音速旅客機の開発及び運用に貢献することを目標としています.


図1:衝撃波近傍の密度分布の可視化